「うさぎは、去勢・避妊手術をしないとどんどん増えていくことは、こちらの記事で述べた通りです。
ただうさぎは、実際には妊娠していなくても妊娠しているかのような症状を見せることがあります。
今回はこの「偽妊娠」について解説していきます。
目次
「偽妊娠」は、「ぎにんしん」と読みます。「疑似妊娠(ぎじにんしん)」と書かれることもあります。
この偽妊娠は、読んで字のごとく、「実際には妊娠していないにも関わらず妊娠しているときのような行動がみられることまたその症状自体」を指す言葉です。
今回は「うさぎ」を取り上げていますが、比較的多くの動物でみられる症状であり、犬などのなかにもこの偽妊娠を起こす個体もいます。
偽妊娠になった場合、巣作りをするために自分のアゴの下にある毛をむしるなどの行動が見られます。
また、母乳の分泌が見られる個体もいます。加えて、今までは飼い主にべったりであったにも関わらず神経質で不安定な精神状態に陥る子もいます。
それでは、このような症状が出たらどうすれば良いのでしょうか。
基本的には、「巣作りに使うための毛を片付ける」「気持ちをほかのところにそらすために、おもちゃを上げる」「落ち着ける環境を作る」などの対策をとることが推奨されます。
ただうさぎのなかには、「せっかく巣作りのために毛を抜いたのに、巣がなくなっている!」とショックを受けて再構築をし始める個体もいます。そのため、「その個体にとってどのような対策がベストか」は、飼い主がしっかり考えていかなければなりません。
偽妊娠の症状は、2週間程度で収まるのが普通です。
なお、このような偽妊娠を避けるためには「避妊手術」を受けさせるのがおすすめです。
偽妊娠が起こるのは、うさぎのホルモンバランスの変化が原因です。うさぎは非常に繁殖力の高い動物であり、「年に数回程度妊娠~出産をすること」が自然な状態です。この「年に数回程度妊娠~出産すること」によってホルモンバランスを保っているため、妊娠~出産がないと逆にホルモンバランスが不安定になってしまうのです。
しかし避妊手術を行えば、このような「ホルモンバランスの不安定さ」がなくなり、偽妊娠も起きなくなります。
ちなみに避妊手術は、偽妊娠や妊娠を防ぐためだけでなく、生殖器周りの病気を防ぐためにも有用です。このため、生後半年を過ぎたごろから避妊手術を検討することをおすすめします。
子どものころに5匹のうさぎと一緒に生活していた経験があり、子うさぎの飼育経験も有しています。自由奔放に生きるうさぎたちと過ごした時間も活かして、動物関係のライティングを多数手がけてきました。「分かりにくいことを、わかりやすく」をテーマにペットとの生活をサポートしていきます。